スイートマジョラムの香りと働き・おすすめの使い方
「マジョラム?初めて聞いたなぁ。どんな香りなんだろう?」
私がアロマテラピー検定のテキストを見て思った感想です。
(共感してくださる方もいらっしゃるかも?)
ラベンダーやスイートオレンジと比べると、スイートマジョラムはマイナーな精油かもしれません。
しかしながら、アロマテラピー検定でも取り上げられているだけあって、安全性・利用価値ともに高くとっても実用的。
スイートマジョラムに期待できる効果効能を一言で表現するなら「健康増進」。
冷え対策や肩こり解消、寝つきを良くしたり月経痛をやわらげたり・・・
今回はそんな日常のさまざまなトラブルに対応できるスイートマジョラムの働きとその活かし方を解説します。
では、参りましょう。
今回解説している内容は下記の目次よりご確認いただけます。
目次よりお好きな項目を選んでご覧いただくこともできますので、ご活用くださいませ。
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【専門家の視点で選ぶ】
私がスイートマジョラムを検討するケース
空瓶を見つけて結構使っていたんだと実感しました。
私にとってスイートマジョラムは「ブレンドに加えると機能性をUPしてくれる」使いやすい精油の一つです。
例えば、就寝前におすすめのブレンド「スイートオレンジ×ラベンダー」。
こちらはフルーティーで甘い香りが特徴のリラックス効果の高いブレンドです。
なお、寒い時期には冷えから寝つきが悪くなることも・・・。
そんな時には+スイートマジョラム!
自律神経を調整し「安眠に導く香り」であり、しかも血行を良くして体を温めることで冷えにもアプローチできます。
下記はInstagramで紹介したスイートマジョラムを使ったアロマレシピです。
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また、スイートマジョラムは温かみが感じられるややスパイシーですっきりとした香りが使いやすい!
主張しすぎない落ち着いた香りは男性にも好まれやすく、使用頻度の高いスイートオレンジなどの柑橘系やラベンダーなどのハーブ系とも好相性。
「朝夕寒暖差がこたえるな。ほっと温まりたいなぁ。」
「座りっぱなしで肩も足もカチカチに疲れちゃった。あったかいお風呂で癒されたい!」
「いつもならローズマリー(鎮痛・血行促進)だけど、今日は柔らかい香りが欲しいな。」
そんな時、香りを楽しみたい精油にスイートマジョラムで機能性を高めるのが私のスイートマジョラムの使い方です。
スイートマジョラムってどんなハーブ?
ポイント
地中海地方原産のハーブ。
古代から料理やハーブティーに利用されてきた。
アロマテラピーではスイートマジョラム種を使用する。
スイートマジョラムは地中海沿岸の代表的なハーブの一つです。
草は20~50cmほどに育ち、小さな卵型の葉をつけます。
多年草ですが、寒さに弱いため1年草として栽培されることが多いようです。
種小名の「majorana(マヨラナ)」の頭の部分「major(マヨル)」は「より大きい、より長い」という意味を持つラテン語に由来するそうです。
実際にさまざまな形で健康を増進してくれるとても役に立つ精油です。
中世ヨーロッパでは、ハーブなど芳香のある植物を束ねた小さな花束(タッジーマッジー)に入れられました。
タッジーマッジ―とは、強い香りや薬効を持つハーブで作った小さな花束のこと。
中世ヨーロッパでは、悪臭と病気感染を防止するために身につけられました。
花嫁が持つブライダルブーケの由来になったともいわれています。
スイートマジョラムは、古くからさまざまなな料理や、鎮静のためのハーブティーの形で利用されてきました。
主にスパイスとして使われますが、生の葉をそのまま食すこともあります。
古代ギリシャでは薬草として広く使われました。
また、古代エジプトでは悲しみを癒すとされ、気持ちを鎮め、ストレスを和らげる目的で使われました。
「幸せを象徴するハーブ」といわれるマジョラムは、結婚した夫婦の幸福を祈って送られた一方、墓地に植えて死者の魂に平安をもたらすためにも使用されたといわれています。
料理用のハーブとして親しまれ、特にマトンやラムの臭みをとることで知られているマージョラム。
その名は、ラテン語で「より大きい」といういみのmajorからくるという説もあり、これは「人生を長く伸ばす」という意味で、マジョラムが薬草として広く親しまれていたことに由来するそうです。
古代エジプトでは悲しみを癒すとされ、ギリシャの愛の女神アフロディーテから与えられた香りと言われます。
スイートがあればビターもある?
ポイント
「ワイルドマジョラム(オレガノ)」という品種がある。
スイートマジョラムとオレガノは異なる精油なので気をつけましょう。
「スイートオレンジとかスイートマジョラム。スイートがあればビターもあるのかな?」
はい、スイートオレンジに対しビターオレンジがあるように、スイートマジョラムにも「スパニッシュマジョラム」もしくは「ワイルドマジョラム」と呼ばれる異なる品種があります。
「スパニッシュマジョラム(ワイルドマジョラム)」は「オレガノ」という精油名でも販売されています。
精油としても芳香成分が大きく異なるため、同じ使い方はできません。
購入の際はご注意くださいね。
スイートマジョラムはハーバル調のフレッシュな香り
スイートマジョラムはフレッシュながら落ち着いた印象の香りです。
ほんのりとスパイシーな温かみがあり、心を穏やかに鎮めてくれます。
濃厚で甘い香りが苦手な男性にもおすすめの香りです。
【どんな働きがあるの?】スイートマジョラムは「安眠の香り」
ポイント
スイートマジョラムは「安眠に導く香り」として有名。
香りに温かみが感じられるように、体を温め血行を促し心を穏やかにする力がある。
「安眠の香り」として有名な精油。
親しみやすく温かみのある香りは気持ちを静め、ストレスを和らげます。
体を温める作用は心身のこわばりを温めつつんでリラックスさせ、滞りをスムーズにします。
血行をよくする働きは、月経痛や筋肉痛、腰痛、頭痛などさまざまな痛みを和らげるのに役立ちます。
自律神経のバランスを調整する力も持っています。
肌に対しても血行促進作用が、目の下のクマの解消に効果を発揮。
抗炎症作用も期待できます。
原料植物名:スイートマジョラム(マージョラム)
和名:マヨラナ
科名:シソ科
学名:Origanum majorana (オリガヌム マヨラナ)
主な産地:イギリス、エジプト、スペイン、チュニジア、ハンガリー、フランス、リビア など。
抽出部位:葉もしくは全草
精油製造法:水蒸気蒸留法
色:淡い黄色
主な成分:α-テルピネオール、テルピネン-4-オール、リナロール、γ-テルピネン、サビネン、β-ピネン など
支配星:水星
五行:脾
【心への作用】心を慰め不快リラックスに導く
不安やストレス、無気力な時や、悲しみ・孤独感を和らげたいときにおすすめの香りです。
悲しみや孤独感、無気力にとらわれてしまうときに、心を励まし問題に直面するのを助けてくれます。
不安や緊張に張り詰めた神経を沈静する作用があり、揺らいだ気持ちを冷静に落ち着かせ、深いリラックスに導きます。
根の深いショックをやわらげトラウマを解放し、心を慰める働きがあります。
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こんなときに:不眠、恐怖、不安、パニック、精神疲労、緊張 など
利用方法:芳香浴法、沐浴法、トリートメント法 など
【体への作用】体を温め全身の機能を向上
スイートマジョラムは、健康増進に役立つ多くの作用を持っています。
特に血液循環を活発にする作用に優れており、筋肉痛のほか、月経痛などあらゆる痛みの緩和、筋肉の凝りや冷え性の改善に効果を発揮します。
副交感神経の働きを優位にして自律神経のバランスを調整する作用は、頭痛、片頭痛、不眠症といった体の不調にも効果を発揮します。
また、高い血圧を下げるよう働きかけます。
消化不良、便秘、鼓脹(ガスでおなかがはる症状)といった消化器系の不調に役立ち、体が毒素を排出するのを助けます。
疲労の蓄積やひどい肩こりがあるときは入浴で利用してみてください。
こんなときに:消化促進、筋肉痛、頭痛、月経痛、消化不良、便秘、腸内ガス、緊張型頭痛、月経前症候群(PMS)、月経痛、不眠、血行改善、風邪動悸、高血圧、冷え性、乗り物酔い、肩こり、腰痛 など
利用方法:芳香浴法、沐浴法、トリートメント法 など
【肌への作用】血流を促進しくすみやクマを改善
血液循環を活発にする作用はお肌の色つやをよくすることにも役立ちます。
血行が良くなることで小じわや肌のくすみ、目の下のクマを改善します。
ティートリーと成分が似ており、抗ウィルス、抗炎症作用にも優れています。
抗真菌作用、抗菌作用があるため、同じ作用を持つ他の精油とブレンドしてニキビや水虫のケアにも使われます。
こんなときに:血行改善、水虫、ニキビ、脂性肌、くすみ、しわ、くま など
利用方法:トリートメント法、手作りコスメ、フェイシャルスチーム など
【ブレンドのコツ】鎮静作用を持つ精油とのブレンドもおすすめ
スパイス、ハーブ、葉、樹木の精油とよく調和します。
鎮静作用をもつ精油とのブレンドもおすすめです。
スイートマジョラムに期待される薬理作用
鬱滞除去(うったいじょきょ)作用
緩下(かんげ)作用
強心作用
強壮作用
去痰(きょたん)作用
駆風(くふう)作用
血圧降下作用
抗ウィルス作用
抗炎症作用
抗菌作用
抗真菌作用
催眠作用
消化促進作用
自律神経調整作用
神経強壮作用
頭脳明晰化作用
制淫(せいいん)作用
精神安定作用
鎮痙(ちんけい)作用
鎮静作用
鎮咳(ちんがい)作用
鎮痛作用
通経(つうけい)作用
免疫調整作用
他
薬理作用について詳しくは「【保存版】精油に期待できる薬理作用一覧」にて解説しています。
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【保存版】精油に期待できる薬理作用一覧
精油の薬理作用 芳香植物は、魅力的な香りで私たちをひきつけます。 各植物の個性の一つである精油は、植物がその種の生き残りをかけて作り出した物 ...
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【必読】アロマテラピーのルール
アロマテラピーを行うにあたっては下記を守りましょう。
アロマテラピーのルール
- 原液を皮膚につけないようにしましょう。
- 精油を飲用しないようにしましょう。
- 精油が目など粘膜部分に触れないようにしましょう。
- 火気に注意しましょう。
- 子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。
- 定期的に使用状況をチェックしましょう。
また、お子様や高齢者、妊娠中の方には考慮していただきたい項目がありますので、こちらをあわせてご一読ください。
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アロマテラピーのルール(精油を安全に活用するために)
アロマテラピーのルール~精油を安全に活用ために~ 精油は、植物から抽出した天然の物質だからと言って100%安全だというわけではありません。 ...
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スイートマジョラムの使用にあたり気をつけること
妊娠中の使用は控えましょう。
長時間使うと眠くなることがありますので、車の運転や集中したいときは使用を避けましょう。
同じマージョラムの名を持つ植物があるので、購入の際には間違えないようにしましょう。
おわりに 健康増進に役立つスイートマジョラム
スイートマジョラムは、安眠の香りとして知られています。
リラックス効果はもちろん、体を温め、筋肉の疲労を取り除き、さまざまな痛みを和らげるなど、持っておくととても便利な精油の1つです。
ココがおすすめ
- トラウマや孤独感、悲しみに対し心を温め癒す。
- 不安や緊張をやわらげ深いリラックスに導く。
- 血液循環を促し冷え性や筋肉疲労を和らげる。
- 便秘や下痢、消化不良の不調を整える。
- 月経痛や片頭痛の痛みを和らげる。
- 小じわやクマを改善する。
今回の記事が、精油選びの参考になれば幸いです。
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精油は体と心に働きかける力をもっています。
しかしながら、「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」ではありません。
香りを楽しみながら、健康維持・増進、美容を目的にアロマテラピーを取り入れてみてください。
心身の状態が悪い時には速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。