Aromatherapy

フローラルウォーター(芳香蒸留水)の特徴と活用法

03/09/2020

香りや作用が穏やかなフローラルウォーター

 

ローズウォーターを使ったクリームや乳液を作ることもできます。

 

ローズの精油が欲しくて店頭に行ったらローズウォーターっていうのが出てたんです。

値段もお手頃で気になったんですが、精油とどう違うんでしょう?どんな使い方ができますか?

 

精油と違ってそのまま化粧水として肌に使うこともできるのよ。

今回はフローラルウォーターの特徴や使い方を紹介していきましょうね。

 

こんな疑問にセラピストがお答えします

  • 芳香蒸留水?フローラルウォーター?ってどんなもの?
  • どんな使い方ができるの?
  • 保管の仕方や注意点を教えて。

 

 

フローラルウォーターは精油の副産物

 

植物に水蒸気をあてて芳香成分を抽出する水蒸気蒸留法。

 

この時、精油と同時に得られる副産物(蒸留水)が「フローラルウォーター」です。

 

芳香蒸留水、ハーブウォーター、ハイドロゾル、ハイドロラットなどとも呼ばれ、水溶性の香りの成分と微量の精油成分を含みます。

 

精油成分は含まれていますがごく微量なので、体や心へ穏やかに作用するのが特徴。

 

刺激が少ないため希釈する必要もなく、赤ちゃんの肌にも直接つけることができます。

 

精油より香りが軽く価格も手ごろで、手軽に楽しめると人気を集めています。

 

そのまま肌に吹きかける化粧水にできるほか、入浴剤やヘアウォーター、ルームスプレーとして。

 

また、石鹸やハンドクリームなどを手作りする際の基材(精油を薄めたり加工するための材料)としても活躍します。

 

フローラルウォーターにはローズやラベンダーなどのフローラル系のものやペパーミント、ローズマリーといったハーブ系のものなどいくつかの種類があります。

 

化粧水として使ったり手作りコスメの基材などスキンケアに使うのが最もポピュラーです。

ローズやラベンダーなどがあり、肌を滑らかにしたり保湿効果があるため化粧水によく使われます。

そのほかリネンの香りづけやルームフレッシュナーなど生活の中で幅広く使えます。

 

 

人気No.1! ローズウォーター

オールドローズ(ピンク)

ローズウォーターは甘く優雅な香りです。

 

ローズ・オットーを抽出する際に得られるフローラルウォーターです。

 

甘くフローラルなローズの香りは気持ちを明るくさせ、緊張やストレスを和らげるのにも役立ちます。

 

最も人気があるフローラルウォーターで、化粧水やコットンにしみこませてマスクとして使うと優雅な香りが楽しめ、肌の引き締め効果、アンチエイジング効果も期待できます。

 

ほかのフローラルウォーターとブレンドするのもおすすめです。

 

メーカーによっては、センティフォリア種やダマスクス種などの品種により、フローラルウォーターにもいくつかの種類があります。

 

ポイント

おすすめの肌質:すべての肌質に。特に乾燥肌、敏感肌、老化肌、炎症がある肌に。

用途:全身用ローション、フェイス用ローション、ヘアトニック、手足の洗浄など

 

 

幅広い効能が魅力 ラベンダーウォーター

ラベンダーの花

ラベンダーウォーターは幅広い用途が魅力です。

 

ハーブ調のすっきりとした香りで、幅広い効能があり、年齢や肌質を問わずオールマイティーに使えるのが利点です。

 

緊張や不安、ストレスを和らげるのに役立ちます。

 

スキンケアに使うと肌質を選ばず、優しく穏やかながら確かな美容効果を得ることができます。

 

鎮静効果が高く、かゆみや炎症の出やすい敏感に傾いた肌にも使うことができ、睡眠不足やストレスを感じるとトラブルの出やすい肌の鎮静や、夏の日焼け後の肌を潤すのにも効果的です。

 

また、殺菌作用も高く、感染症の予防、肌荒れや吹き出物にもお勧めです。

 

肌の再生を促す作用もあり、できてしまったニキビ跡を薄くするよう働きます。

 

穏やかな血行促進作用もあり、目の下のクマや乾燥に悩まされる肌にも優れた働きをします。

 

ポイント

おすすめの肌質:すべての肌質に。清潔に保ちたいとき、保湿したいときに最適。

用途:全身用ローション、赤ちゃんのおむつかぶれ、ヘアトニック、手足の洗浄など。

 

 

 

メモ

ドイツベネディクト会女子修道院の院長・ヒルデガルトがラベンダーウォーターの発明者とされています。

なお、ラベンダーウォーターの薬効は、ローマ帝国時代から西洋ではよく知られていたよう。

ローマ帝国の博物学者プリニウスは「これこそはわが領土内でしか取れないと誇れるのは、イリュリア(現アルバニア周辺)のアイリス(とガリア(現フランス)のナルド(ラベンダー)しかない」と述べています。

ローマ帝国のラバーレ(洗濯する)からラベンダーの語が生まれたことから、衣類の虫よけから殺菌目的など多様に使われていたと推測されます。

 

 

収斂作用がたるみやむくみに
ローズマリーウォーター

ローズマリーの葉

ローズマリーウォーターは脂性肌に向いています。

 

すっきりとしたシャープな香りです。

 

心を元気にしたいときにやたるみが気になる老化肌に最適。

 

気持ちもシャキッと引き締めてくれます。

 

ポイント

おすすめの肌質:収斂作用があり、むくみやたるみに効果的。

用途:頭髪に使用するとフケ防止や育毛に。

 

 

魅惑の香り
オレンジフラワー(ネロリ)ウォーター

ビターオレンジの花

オレンジフラワーウォーターはネロリウォーターとも呼ばれます。

 

 

甘くフローラルなネロリの香り。

 

緊張や不安をやわらげ気持ちを明るくし、心と肌の憂鬱から解放してくれます。

 

たるみをを引き締め皮膚の弾力を取り戻す働きが期待でき、エイジングケアに使えます。

 

ローションとしてメイク前に使うと化粧崩れを防ぎます。

 

乾燥肌の人は植物油を加えて使ってみてください。

ローズウォーターとオレンジフラワーウォーターをブレンドすると香りも作用も相乗効果が得られておすすめです。

 

ポイント

おすすめの肌質:乾燥肌や敏感肌、老化肌、脂性肌、ニキビ肌に

用途:全身用ローション、フェイス用ローション、ヘアトニック、手足の洗浄など

 

 

清涼感のある香り ペパーミントウォーター

ペパーミント

清涼感のある香りは男性にもおすすめ。アフターシェービングローションとしても使えます。

 

清涼感のあるミントの香りで男性にもお勧めです。

 

心も肌も元気にリフレッシュさせてくれます。

 

ミントの品種によりそれぞれのフローラルウォーターが得られます。

 

ポイント

おすすめの肌質:炎症のある肌、脂性肌に。

用途:日焼けした肌やヘアトニック、手足の洗浄など。

 

 

 

フルーティーな香り
カモミールウォーター(カモミール・ローマン)

ローマンカモミールの花

ローマンカモミールの花。カモミールウォーターはアレルギー肌に使えます。

 

リンゴのような甘くフルーティーな優しい香りです。

 

緊張や不安、ストレス、怒り、恐怖などを和らげリラックスさせてくれます。

 

カモミールにはローマンジャーマンの2種のフローラルウォーターがありますので購入の際は確認しましょう。

 

ポイント

おすすめの肌質:弾力を失った肌、乾燥肌、炎症のある肌のほか、ニキビや皮膚炎、アレルギー肌に。

用途:疲れた目に。タオルにしみこませ湿布として使うこともできます。

 

 

 

メリッサ(レモンバーム)ウォーター

レモンバーム(メリッサ)

レモンバームは爽やかで優しい繊細な香りです。

 

レモンのようなみずみずしさとハーブの青さが調和した繊細な香りです。

 

不安をやわらげ、元気づけてくれる優しい作用があります。

 

ポイント

おすすめの肌質:老化肌、脂性肌、湿疹に。脱毛が気になるときにも。

用途:湿疹、赤ちゃんのおむつかぶれ、日焼けした肌にも。

 

 

和のフローラルウォーター ゲットウ

 

和のフローラルウォーターの中でも美肌効果が高いと人気です。

 

葉から蒸留されるため、ややグリーンな甘い香りが特徴です。

 

肌質を選ばないため、手作りコスメの基材としてもおすすめです。

 

ポイント

おすすめの肌質:すべての肌質に

用途:化粧水、ルームスプレーなど

 

 

森林浴の香り モミ

 

優しい森林の香りで、ルームスプレーや洗濯の際に使うとリラックスを誘います。

 

そのまま化粧水としての使用や、手作りクレイパックの材料にも適しています。

 

ポイント

おすすめの肌質:すべての肌質

用途:化粧水、手作りクレイパックの基材など

 

 

 

【必読】アロマテラピーのルール

 

精油を用いる(アロマテラピーを行う)場合は下記を守りましょう。

 

アロマテラピーのルール

  • 原液を皮膚につけないようにしましょう。
  • 精油を飲用しないようにしましょう。
  • 精油が目など粘膜部分に触れないようにしましょう。
  • 火気に注意しましょう。
  • 子どもやペットの手の届かない場所に保管しましょう。
  • 定期的に使用状況をチェックしましょう。

 

また、お子様や高齢者、妊娠中の方には考慮していただきたい項目がありますので、こちらをあわせてご一読ください。

 

アロマテラピーのルール(精油を安全に活用するために)

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フローラルウォーターの使用にあたり気をつけること

 

フローラルウォーターは蒸留水なので、空気に触れると菌が繁殖しやすく劣化が早い素材です。

 

特に防腐剤不使用と表記のあるものは、保管に注意が必要。

 

天然の芳香蒸留水は保存料を一切含んでいないため、まれにカビなどが発生することがあります。

 

瓶のふたはしっかりと閉め、必ず冷蔵庫で保管し、開封後はなるべく早めに使い切るようにしましょう。

 

一度にたくさん使う予定がなければ、少量ずつ購入して短期間に使い切るようにしましょう。

 

また、最初から天然の浮遊物が微量に混入していることもありますが、これは植物素材が生きているためであり、大きな問題はありません。

 

購入後の保存状態によっては未開封でも沈殿物が極端に増えたり腐敗臭がするなど、違和感があるときは使用を控えましょう。

 

化粧水として市販されている化粧品メーカーのものを購入するときは、アルコールや合成保存料を加えているものもあるので確認しましょう。

また、購入時には製造年月日を確認し、なるべく新鮮なものを選びましょう。

 

詳細については、商品に記載の保存方法・保存期限をご確認ください。

 

 

レディーのたしなみ
フローラルウォーターの歴史

 

中世ヨーロッパ(5~15世紀ごろ)は医者が少なく、修道院が医療の役割を担っていました。

 

薬は買うものではなく、家庭の台所でハーブを使用し作られていました。

 

16世紀には蒸留技術の本が出版され、地域の治療の仕事は修道院から領主の屋敷などに引き継がれます。

 

貴婦人は手仕事などしないイメージがありますが、実際には城や屋敷の女主人はたくさんの仕事を請け負う忙しい立場で、当初蒸留の仕事は屋敷の女主人が主導して行っていたといいます。

 

簡単な内服薬や治療薬を調合、投与する心得は当時のレディのたしなみの一つであり、荘園の領主夫人は家庭や屋敷の人々の治療、領地の貧しい人々の面倒を見る役割も担っており、村中の人々を自家製のシロップや軟膏で治療して回っていたそう。

 

16~17世紀には多くの家庭で薔薇水が作られるようになります。

 

蒸留が屋敷で行われるようになると、台所とは別に蒸留・調剤を行う「蒸留室(still room)」のある家も増えていきました。

 

フローラルウォーターって女性が身近な人たちのケアに家庭で作っていた時代があるのですね。

 

そのようよ。

ちなみにフローラルウォーターは英語ではdistilled water(蒸留水)、sweet waterと呼ばれていたそうです。

 

 

おわりに 家族で使える優しい香り

 

フローラルウォーターは赤ちゃんの肌にも使うことができます。

 

今回はフローラルウォーターは精油を得る際の副産物であること、そしてそれぞれの特徴や使い方、保管方法についてご紹介しました。

 

フローラルウォーターは穏やかな作用で、赤ちゃんからお年寄りまで使えるところが魅力。

 

状況に合わせて取り入れていきましょう。

 

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各フローラルウォーターと関連する精油の詳細については下記をご参照ください。

 

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精油は体と心に働きかける力をもっています。

しかしながら、「医薬品」、「医薬部外品」、「化粧品」ではありません。

香りを楽しみながら、健康維持・増進、美容を目的にアロマテラピーを取り入れてみてください。

心身の状態が悪い時には速やかに医師の診察を受けるようにしましょう。

 

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